神の声
元旦とは案外暇なのは我が家だけなのか?
テレビは昔から苦手なので家族は見ていても私は見ない。
そこで新年早々聞いた音楽がこれ。
ガブリエリ作曲
ピアノとフォルテのソナタ
この曲、タイトル通り本当にピアノとフォルテしか強弱がない。
ガブリエリは教会での演奏を前提に作曲しており、平たく言えば第一グループと第二グループに分かれて教会の右側と左側に分かれて演奏してね。という構成である。
この曲はみんなが違う動きをしていてそれぞれがカッコいい。
所々で集合地点があり、グループごとに同じフレーズを吹くところはあるが他は見失ったら落ちる。
言い方を変えれば誰が間違えてるかわかりにくい。
調べた訳ではないがおそらくこの時代は楽譜の縦の線がなかったのではないかと思う。
和音がおかしいとかはもちろんあるが、まぁ、そんな感じかな。という場面もあるのはそのせいかと推測している。
音域は決して難しくはないがいかに教会の音楽として響かせられるか。
オルガンの調べのような演奏がいい。
アンサンブルコンクールでよく使われる曲ではあるがシンプルなようで奥が深い。
なので聞けば聞くほど身につまされ、泣きそうになってしまう。
きっと拭いきれない穢れがあるからだ。
ところでガブリエリの曲はいくつかあるが、どの曲を聞いてもガブリエリとすぐにわかる。いくつかのパターンがどの曲にも組み込まれているのだ。
最初にCDを聞いた時には全部同じに聞こえていた。
トロンボーンは神の声と言われる楽器である。
天から降り注ぐ温かな音で包み込むようにコラールを演奏できるのが一番の魅力である。
私は神には程遠い平民の声にしかならないが、コラールを吹くとトロンボーンをやっていて良かったと思える。
少しでもペラッペラの平民から抜け出せるようになるのが今年の目標かも知れない。