新年早々

新年早々に2週間連続の演奏会があり、今年初の練習に向かった。

13時から18時まで2回の演奏会分を練習するハードな日。
休憩時間の際にローテーション変更のため席を移動。
楽器は私の椅子の後ろにスタンドに立て掛けた状態でおいた。

突然ファゴットの女性が「ちょっと！大丈夫なの！？」と
振り返ると私の楽器が倒れている。

スライドは無事だったがF管がガッツリ凹んだ。
一応F管を使って吹いたが、あ、これだめだ。という状態。

F管を使わなければ使えるがそれではテナートロンボーンになる。
テナーバストロンボーンにならない。
トロンボーンは遠いポジションから近いポジションまで早いテンポだと演奏しづらい。
遠いポジションの音をF管を使いながら近いポジションで吹けるのがテナーバスである。

翌日、楽器店に楽器を持ち込んだ。
重症なので店では治せないらしく、メーカーに直接依頼することになった。

まだメーカーから連絡はない。

代わりの楽器は高校生の時に使っていたものがあるのでそれで凌いでいる。

本当に本当に治ってほしい。

私の楽器は実は希少価値が高い。
基本楽器は機械製造だが私の楽器は職人による手作りである。もう販売していない。

中古で出回ることもほとんどなく、ずいぶん前に販売された楽器にも関わらず、未だに高値がついている。

この楽器は某フィルハーモニーの主席プレイヤーから譲り受けたものなので思い入れも違う。

新年早々、楽器も私も凹んだ。